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関西大学商学部長谷川ゼミが陸前高田で10日間研修を行いました!(2017/8/1-10)

2017/08/25

8月1日から10日まで,東日本大震災からの復興と国際協力を学ぶ関西大学商学部長谷川ゼミナール(3年次生10名)は,陸前高田で研修を実施しました。地元の語り部の方から震災時に何が起こったのかを学んだ後,2日と3日は4チームに分かれて集落
(横田町中心部,気仙町長部地区,米崎町和野地区,小友町上の坊地区)に入って,五感を働かせて歩いたり,出会った方々に話を聞いたりするなどして,その集落の「あるもの探し」(魅力の発見)を行いました。学生たちは最初不安にかられていましたが,一歩踏み出すと出会いに恵まれ,陸前高田の方々の温かさにふれることができました。あるゼミ生は「横田町で泊まらせていただいて,あるもの探しをして最初は不安やったけど最後はもっとここにいたいし,またここに来たいと思った」としていました。
4日と5日は,広田町で民泊をさせていただきました。わかめの袋詰めや大型冷蔵庫の清掃,トマトやミョウガの収穫などを体験し,新鮮な野菜や魚の手作りの料理に舌鼓を打ちました。竹を切りだしての流しそうめんもできて,温かく迎えていただきましたし,受け入れていただいたご夫婦の豊かな知識と哲学には学生たちはただただ圧倒されていました。ゼミ生の一人は「お手伝いやお昼ご飯一緒に食べさせて頂いて離れるのが寂しいなって思ったし改めて民泊の良さを感じた」としていました。
6日と7日は,うごく七夕祭り荒町組のお手伝いをさせていただきました。あいにく天候には恵まれませんでしたが,荒町組のみなさんから逆にたくさんの元気をいただきました。ゼミ生たちは「荒町組の方々をはじめ、祭りに参加している皆さんがとてもかっこよくて見ているだけでも楽しめたし、さらに一緒に掛け声を出し山車を引いたりできてとても楽しかった!」「山車を初めてひいてあんなに重いものだと知らなかったし、準備は大変だったけど本当に参加して良かった!」などとしていました。
9日には,聞き書き作品の鑑賞会を開催しました。長谷川ゼミではこの数年,1対1で人生を丸ごと聞き,記録に残していく「聞き書き」を陸前高田でも行ってきました。今回話し手となった佐藤一男さん(防災士)と吉田和子さん(りくカフェ経営)を招いての「聞き書き」地での作品鑑賞会を行いました。お二方の人生を味わいながら,震災当時の支援物資から防災や食育に話題がふくらみ,地元の方同士が出会う機会にもなりました。あるゼミ生は「陸前高田で聞き書き鑑賞会をしてよかったと心の底から思えたし、もっとたくさんの人の色々なお話を聞いてみたいと思えた」とのことです。
研修最終日の成果発表会では,ゼミ生全員が研修で感じたことを図解にしてポスターセッション形式で発表しました。
急なアナウンスにもかからわず,ボランティアで来ていた立教大学の学生のみなさんも含めて十数名の方に参加していただきました。
発表した図解のタイトルを一部紹介します。「現地の方々が優しく受け入れてくださったおかげでとても内容の濃い研修となり,震災
の被害の大きさや人と人とのつながりの大切さ,現地の方々の陸前高田市への愛を感じた研修であった」「出会うひとりひとりの物語を聞くことから深く学び考え,そのことが自分の力の蓄積になると知った研修だった」。

(文・関西大学商学部准教授 長谷川伸)

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