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“雨にも負けず”宮沢賢治の勉強会(第3回)を実施しました(東京農業大学両角研究室主催)(2017/7/23)
2017/07/27
7月23日 (日)、グローバルキャンパス内の講義室を使用して、陸前高田市民を対象に、“探究『賢治スコープ』体験学習会”と称する宮沢賢治の童話作品の勉強会を実施しました。
これは、“身近な自然環境の荒廃という地域問題への気づき”を全体テーマとして、その解決策のヒントを宮沢賢治の童話作品の中から探求し、町の歴史や文化に触れ、自然環境への理解を深めながら、地域の未来のあり方を学習していく森林ESDの試みとして実施しているものです。
この日は大雨警報が発令されるほどの悪天候の中、9名の賢治の愛好者がこの勉強会に参加してくださいました。
今回は第3回目として、前半は『注文の多い料理店』 を取り上げ、 “山猫は2人の紳士を本気で食べようとしていたのか”をテーマに、日本女子大学に所属する調理学の研究者が、専門家の立場から作品に描かれた調理方法を検証し、人間に対する山猫の真意は何であったのか、自然の生き物の視点から探求しました。
そして後半は、東京農業大学に所属し環境共生学を専攻する講師より、地元の霊山“氷上山”をテーマに、この山が賢治の作品でどう大切に描かれているかを紹介しながら この山の魅力をとらえ、賢治流の地域の自然の見方として『楢ノ木大学士の野宿』をテキストに、地学、歴史学、文学の多角的視点から、氷上山と周囲の山々との比較探求をしました。
90分という長めの講義時間にもかかわらず、受講者から「内容が楽しくて時間が本当に短い。今から次回が楽しみ、絶対に参加する!」 といった好意的な意見や感想が寄せられ、「“風の又三郎”との出会いを紡彿させる、不思議なエネルギーに満たされた時間」 との評価もいただきました。
賢治作品を通してみた、“自然環境問題への気づき”をテーマとする勉強会も、次回の8月で一応の区切りをつけます。いよいよ最終回は、間伐という環境課題を解決する地域の明るい未来像“木炭発電の取り組み”について探求していきます。
~地域の未来のために、宮沢賢治が一番したかったことは何か~
賢治の遺志を現代に引き継ぐ『グスコーブドリの“電気”』の世界をどうぞお楽しみに。